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業務用エアコンを選ぶ際に最も重要なことは、設置場所と使用用途にあった最適な形状や能力のエアコンを選ぶことです。また、同じ面積の場所でも設置環境によって必要な能力が変わってきます。物販店と飲食店では、熱源が多くなる飲食店の方が空調の効きが悪く感じます。よってより高い能力のエアコンが必要になります。ここでは最適な能力【馬力】を選ぶ際のポイントを紹介いたします。

なぜ適した能力の業務用エアコンを選ぶ必要があるのか

なぜ、適した能力のエアコンを選ぶ必要があるのでしょう?それは以下のことが懸念されるからです。

冷えない、暖まらない、空調の効きが悪くなる

能力の足りないエアコンは室内を冷やす、暖めることが十分にできないため、設定温度にいつまでたっても到達できない。

電気代が余計にかかってしまう

能力が足りないと、設定温度に到達できないため、最大能力で常に運転しなければならない。そのため大幅に電気代がかかってしまう。

業務用エアコンの劣化が早まり故障の原因になる

能力が足りず、常に最大能力で運転をしていると、エアコンに負荷がかかり故障の原因になります。

業種別にチェックしておきたい熱負荷

能力を選ぶ際に重要なのが熱負荷です。熱負荷とは空調を設置する部屋の出入りする熱量、その部屋で発生する熱量のことです。熱負荷が大きければその分、能力の高いエアコンを選ぶ必要があります。ここでは業種別にチェックしておきたいポイントを紹介いたします。

飲食店

飲食店では比較的熱負荷が高くなるため、空調の能力もほかの業種と比べると大きめの物が必要になります。また、カウンタータイプのお店は調理から発生する熱が客席に影響することを考慮し、焼肉、鉄板焼き、など客席で調理する環境でも大きめの能力が必要になります。

一般事務所

一般事務所ではパソコンなどのOA機器が多い部屋では機器からの熱量が室内にこもり熱負荷となります。また人1人に対しても熱負荷【100kcal】が発生するため従業員が多い部屋では、その分の熱負荷を考慮する必要があります。

理美容室

理美容室ではドライヤーやパーマ機器など発熱性のある器具の使用が多いかの確認が必要になります。また、湯沸かし器の設置場所が室内にある場合はさらに熱負荷が大きくなります。

一般商店

一般商店では、商品を照らす照明、店内で発熱性のあるものや、冷蔵ショーケースなど生鮮食品店等は、より細かく不可計算が必要になります。

能力選びのポイント②

従業員や店内のお客様数

人1人に対しての熱負荷がかかるため、環境より室内の従業員数や、お客様数が多い場合は、その分能力に余裕をもって選定すればいざというときに安心です!

入口の開放度、換気扇の使用状況

外気の出入り、換気扇による空気の入換えが多い場合は、その分熱交換が必要になるため高い能力が必要とされます。

建物の構造が特殊な場合

天井が高ければ多くの熱負荷がかかり、エアコンの冷暖房が行き届かない可能性があります。そのため天井が高い店舗、オフィスはより大きな能力が必要になります。また、断熱性が低い建物は、より高い能力を選定する必要があります。

店内の器具・設備の発熱量が多い

照明設備やドライヤーなど、発熱性の器具を使用する環境では、能力を選定する際に注意が必要です。

最適な能力【馬力】の業務用エアコンを選ぶ熱負荷計算方法

業務用エアコンの能力【馬力】選定は、単純に広さだけで選定はできない点にあります。
能力を選定する際は室内の熱負荷の計算が必要です。熱負荷とは部屋を出入りする熱量、部屋で発生する熱量を指します。熱負荷が高い場合はより高い能力が必要になります。

能力の単位

1kW=860kcal
1馬力=2.240kcal~2.500kcal

算出基準負荷

東京での基準値はダイキンホームページより引用いたします。
一般商店  160-180W/㎡
理美容室  230-290W/㎡
飲食店   190-370W/㎡
一般事務所 105-230W/㎡

上記数値はJIS⑨612-1964により算出した冷房の目安【東京】です。建物、用途、発熱量により異なります。機種選定に関しましては株式会社ベタークリエイションにご相談ください。

能力選定計算方法

算出基準負荷【W/㎡】✖部屋の広さ【㎡】=必要能力【kW】

例】飲食店 算出基準負荷 370W/㎡
店舗広さ 22㎡×算出基準負荷 370W/㎡ = 8,140w = 8.1kW
よって3馬力相当、80形空調機が必要になります。

空調冷房能力換算表

飲食店

厨房から発生する熱量、お客様が調理するところからの熱量を考慮すると、大きめの能力が安心です。

算出基準負荷冷房時 ※190-370W/㎡

店舗の広さ【㎡】目安適合能力【エアコン容量】
11-21㎡1.5馬力相当【4.0kW】
12-24㎡1.8馬力相当【4.5kW】
14-26㎡2馬力相当【5.0kW】
15-29㎡2.3馬力相当【5.6kW】
17-33㎡2.5馬力相当【6.3kW】
22-42㎡3馬力相当【8.0kW】
30-59㎡4馬力相当【11.2kW】
38-74㎡5馬力相当【14.0kW】
43-84㎡6馬力相当【16.0kW】

一般商店

一般商店とは、服飾、貴金属、日用雑貨品を販売されている店舗です。
冷蔵ショーケースなどを置いている場合、より正確な負荷計算が必要です。

算出基準負荷冷房時 ※160-180W/㎡

店舗の広さ【㎡】目安適合能力【エアコン容量】
17-38㎡1.5馬力相当【4.0kW】
20-43㎡1.8馬力相当【4.5kW】
22-48㎡2馬力相当【5.0kW】
24-53㎡2.3馬力相当【5.6kW】
27-60㎡2.5馬力相当【6.3kW】
35-76㎡3馬力相当【8.0kW】
49-107㎡4馬力相当【11.2kW】
61-133㎡5馬力相当【14.0kW】
70-152㎡6馬力相当【16.0kW】

一般事務所

デスクワークが主体のオフィスが対象です。
【OA機器の多いデザイン事務所等は、機器からの発熱がこもりがちです】

算出基準負荷冷房時 ※105-230W/㎡

店舗の広さ【㎡】目安適合能力【エアコン容量】
11-21㎡1.5馬力相当【4.0kW】
12-24㎡1.8馬力相当【4.5kW】
14-26㎡2馬力相当【5.0kW】
15-29㎡2.3馬力相当【5.6kW】
17-33㎡2.5馬力相当【6.3kW】
22-42㎡3馬力相当【8.0kW】
30-59㎡4馬力相当【11.2kW】
38-74㎡5馬力相当【14.0kW】
43-84㎡6馬力相当【16.0kW】

理美容室

理美容室は、お客様が長く滞在するため、エアコンの風向きには気を付けましょう!
ドライヤーなどの熱源を考慮し少し大きめの能力が安心です。

算出基準負荷冷房時 ※230-290W/㎡

店舗の広さ【㎡】目安適合能力【エアコン容量】
14-17㎡1.5馬力相当【4.0kW】
16-20㎡1.8馬力相当【4.5kW】
17-22㎡2馬力相当【5.0kW】
19-24㎡2.3馬力相当【5.6kW】
22-27㎡2.5馬力相当【6.3kW】
28-35㎡3馬力相当【8.0kW】
39-49㎡4馬力相当【11.2kW】
48-61㎡5馬力相当【14.0kW】
55-70㎡6馬力相当【16.0kW】

※ 上記数値はJIS⑨612-1964により算出した冷房の目安【東京】です。建物、用途、発熱量により異なります。機種選定に関しましては株式会社ベタークリエイションにご相談ください。

上記データはダイキンホームページより引用。

まとめ

業務用エアコンを一度設置すると長い期間使い続けることになります。設置してから冷えない、暖まらないなどの悩みを抱えると工事費用が追加で発生します。能力を選ぶ際は、部屋の広さだけでなく環境の熱負荷をしっかり考慮しましょう!
能力がわからない。業務用エアコンをどれにしていいかわからない等のお悩みがございましたら株式会社ベタークリエイションまでご連絡ください。設計から施工までワンストップでご対応いたします。

長々とお読みいただき誠にありがとうございます。今後ともベタークリエイションをよろしくお願い致します。